今までの話
↓
前回の話→★
長男に対して上手に接することの出来なかった私は(自分では普通に接しているつもりだった)自分のことを異常者だと思うようになっていきました。こんな気持ちになってしまう自分が嫌でたまらないのに、実際にどうしたらいいのかが全く分からず…。
当時はインターネットの環境になく相談できる人もいなかったため、情報源といえば本のみ。少しでも時間があれば色んな本を読み漁りました。そして、ある一冊の本の項目を読んだことが、長男と私の関係に変化が訪れるきっかけになりました。

私が読んだ本は『七田式』の、幼児教育に関することが書かれている本だったんですが、その中に『抱っこ法』という項目がありました。
暴れて泣き叫んでいる子供にやさしく言葉をかけながら落ち着くまでギューッと抱きしめるというもので、《最初のうちは腕から逃れようとするけど、それでも抱きしめ続けていると次第に腕の中で落ち着いてくる。》と書かれてありました。(←確かこんなニュアンスで書かれてあったんですが、記憶が曖昧なので気になる方は調べてみてください。)
これは目から鱗でした。今までは長男が泣き叫んで暴れると、捕まえていた手をはなして落ち着くまでそばでただ見守る…。ということしかできなかったんですが、書かれていたことは全くの真逆。嫌がって逃れようとしても落ち着くまで抱きしめ続けるのか…。きっとこの本と出合ってなかったら暴れて拒絶する我が子を抱きしめ続けるなんて出来なかったと思います。
ほどなくしてこの『抱っこ法』を試す機会がやってきました。その日はおばあちゃんが急な法事に行かなければならず、朝からバタバタしていました。察しのいい長男はさっそくグズグズ。出かける直前になって大号泣の大暴れ!見送ってからも泣き叫んで私の腕から逃れようとしましたが、後ろからギューッと抱きしめ続けました。恐らくですが、他人が見ている前でこれをすると、『こんなに泣いてるのにそんな無理やり…。』と言われそうなくらい壮絶な状態なんですが、この時は私と長男のみ。遠慮することなく、もう羽交い絞めにする勢いでギューッと抱きしめ続けました。
こういう時、人は相手がどの位自分に気持ちがあるのか試してるんですよね。男女の仲でも同じ。ここで離したらお終い。親子だったら離しちゃダメですよね。